なぜ、英語論文を書くのは難しいか?
1.話すこと(プレゼン)では、絵や図をみながら説明することができる。
2. 論文は、字だけをみて理解したり、判断したりするため、意味が通じにくかったり、文法的におかしかったりすると、理解されない。
3. 時間が限られているプレゼンに対し、論文は、時間制限がないため、意味のわかりにくい論文を読まされることは、苦痛に近くなる→以降、その人の論文が引用されなかったり、研究結果が無視されたりする。
4.プレゼンの場合、文法や語順など、間違っていてもあまり影響はない。
5. 論文の場合は、論文誌に投稿して、掲載されるものであり、英語の間違いは許されない。
 
この講義の目的
1.あまり苦労せずに修士論文、博士論文を英語で書けるようにする。
2. 大学を出た後も、自分で英語の能力を高めるやりかたを学ぶ。
 
英語が書けるようにするために、すべきこと
1. 論文を読んだときに、使える表現があれば、ノートに控えておく。
a)       イントロの書き出しをそのまま写す→自分でいい表現かどうか判断できないときは、著者(ネイティブであるか)、雑誌のレベルが高いか(Nature,Science,Angewandte Chemie,JACS+本で判断する。
(例)In recent years, a great deal of progress has been made in developing (Goddard).
注:イントロの頁を10頁ぐらいとっておいて、そこに書いていく。
b)       合成セクションの文も書いておく。
(例)(反応)Subsequent treatment of withled to imine 14.
(失敗)Initial attempts to construct  from  were plagued (災いにかかる)by the formation of .
(比率)ratio was 10:1 in favor of 1.
これは20頁ぐらいあった方が良い。
c)単語集をつくる(一セクション5頁ぐらいずつ)
動詞―周辺の単語もまとめて書く
furnish structure of 〜 合成する
set forth toward the total synthesisのりだす
devise a better route to 1良い方法を考える
 
形容詞、副詞―修飾するものも書いておく
reacted sluggishly反応が遅い
concomitant引き続く
apparently どうも〜らしい
effortlessly available 簡単に手に入る
 
接続語―英語はつながりを重視する言語である
Particularly, 特に
As a result, 結果として
Despite, にもかかわらず
Much to our surprise, 驚いたことに
Alternatively, もう一つの方法として
 
名詞―周辺の語も忘れずに
scaffold 骨格(ペプチド)
objective basis 客観的理由
deficiency 問題点
postulated mechanistic pathway推定メカニズム
 
後は、雑誌などで英語の表などがあったときは、コピーしてはっておくと良い。